ありがとう
人は、生きてきた年数で人生を計ろうとしがちです。
長生きが良いことだ、長生きしようという考え方が根底にある様な気がします。
祖母が亡くなって気づいたことがあります。
今まで人生は、長さではない、これは、直感ではそう思っていましたが、実感はありませんでした。
その実感を、教えてくれた祖母に感謝の気持ちでいっぱいです。
亡くなる数年前まで美容師として働いていた祖母。
20歳で結婚母を出産した後、美容師の資格を取り、
その後2人の子供を出産。
3人の子供を育てながら、ワーキングマザーとして仕事もバリバリ頑張っていました。
もちろん夫婦仲も良く、夫を立てる良き妻。子供の頃、私の憧れの夫婦でした。
60歳から始めたスイミング。
70歳から始めた大正琴。
人をもてなすことが好きで、我欲もなく、ただ単に他人の喜ぶ顔が嬉しかったようで、人に好かれる天分があったと思います。
私からみた祖母は人間の弱さ、醜さを超越していたとさえ思えます。
人間生きていれば少しくらい「長生きしたい」とか「もう少し生活に余裕がほしい」とかいう我欲があると思うのですが、祖母にはそういう素振りがない。
時々ぽつりと言うのが、
「いい子供や孫に恵まれた。自分は本当に幸せだった」
「もういつ死んでも怖くない」
というセリフでした。
こういう言葉は、与え続けた人間にしか口に出来ない言葉だと思います。
今度は、私が祖母の分まで一生懸命生きなくてはならないと思っています。
私一人にそう想わせただけでも、祖母の人生には大きな意味があったと、祖母を称えたいです。
死ぬことは、形を変えること。
亡くなった悲しみはありません。
ただ、そこには、ありがとうございました!という感謝と想い出に対する懐かしさへの感動が残りました。
おばあちゃん、
今生からのご卒業おめでとうございました!
また会いしましょうね!
おばあちゃん、ありがとう!
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